CANON
MC Quartz Date + MC-S
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1984年発売。ということは、1眼レフのTシリーズと同時期のカメラである。青みがかったブラックのボディーはまさしくTシリーズのもので、プラスチックの質感も似ている。デザインもTシリーズに共通の匂いが感じられる。
小さなボディにスライド式のレンズバリア、サイド部に付ける専用のフラッシュなど、キャノンMCはオリンパスのXAシリーズに共通する特徴をもつが、XAが発表されたのはこれより5年前の1979年。フィルムの巻上げ・巻き戻し、焦点調節はXAでは未だ手動であった。5年の間にカメラの技術面での進歩は目覚しかったのである
レンズは35mm F2.8で4群4枚構成。なかなか良く写ると定評があるが、やはり写りはAFの性能に左右されると思われ、「条件が合えば」という条件付で良く写る。
AFは近赤外光投射による三角測量方式。プリフォーカスも可能なのだが、これはセルフタイマーで撮る時のもので、セルフタイマーレバーをスライドさせシャッターボタンを押すとAFが作動し、10秒後にシャッターがきれるのだが、10秒待たずにシャッターボタンをもう一度押してもシャッターは切れる。これを利用してプリフォーカスで構図を決めることができるわけだ。
シャッターは絞り兼用電磁駆動電子制御プログラム式で1/8秒F2.8〜1/500秒F16。フィルムの感度設定はこの種のカメラには珍しくISO64から1000まである。
外付けのフラッシュMC-Sはガイドナンバー11(常時フル発光)。しかし本機のものは壊れており使用不能。
MCはMicroCompactの略らしい(キャノンカメラミュージアム記載)。「超小型でありながら仕様・機能・外観処理などにも高級精密感を求める市場ニ一ズに応えるべく開発された機種」とあるが、もちろん現代の基準に照らせば小さくは無く、どの部分に高級感を感じればよいのかも分からない。こういったカメラが当時5万円ほどもしたのだから、カメラは安くなったものだ。
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